
受注案件でアナリティクスやreCAPTCHAを導入したいっすけど、誰のアカウントで利用すべきっすか?



考えていることはわかるが、基本の対応は1つだけだぞ。理由を紹介していこう。
Webサイト制作や運用に関わると、GoogleアナリティクスやサーチコンソールといったGoogleのサービスを使う場面が必ず出てきます。
しかし、初めて案件を受注する側・依頼する側にとっては、「これって誰のアカウントで登録すればいいの?」と迷うポイントです。
今回は、フリーランスや外注のフロントエンドエンジニア・Webデザイナー、そして依頼者の方向けに、Googleサービスを使うときの「アカウント所有者の選び方」についてわかりやすく解説します。
結論:基本的に依頼者(クライアント)のGoogleアカウントで登録すべき
GoogleアナリティクスやサーチコンソールといったWeb系のGoogleサービスは、「サイトの所有者(=依頼者)名義のGoogleアカウントで管理・登録する」ことが原則です。
なぜクライアントのアカウントが望ましいのか?
- 将来的に制作担当者が変わることがあるため
エンジニアやデザイナーは案件単位で関わることが多く、ずっと担当するとは限りません。管理権限が外部にあると、後々の引き継ぎが面倒になったり、データが見られなくなったりする可能性があります。 - データの所有権が明確になるため
アナリティクスのアクセスデータやサーチコンソールの検索データは、「資産」です。これを依頼者が持っておくことで、あとからトラブルになるのを防げます。 - Googleのポリシーにも合っている
Googleは、サービスの正しい所有者が管理権限を持つことを推奨しています。
依頼者にGoogleアカウントがない場合は?
依頼者がGoogleアカウント(=Gmailアカウントなど)を持っていない場合は、新しく作成してもらいましょう。
その際は、以下の点をおすすめします
- Gmailの個人アドレスではなく、業務用のメールアドレスでGoogleアカウントを作る
- ログイン情報を忘れないように、パスワード管理を徹底してもらう
- 作成したらすぐに、制作者側に「ユーザー招待」で権限を渡してもらう
制作者(エンジニア・デザイナー)がやっておくべきこと
依頼者のアカウントで登録する以上、制作者側には「招待される形でアクセス権限をもらう」必要があります。
権限をもらう方法
- Googleアナリティクス(GA4)
→「管理」→「アカウントのアクセス管理」から、メールアドレスで「管理者」または「編集者」として招待してもらう - Googleサーチコンソール
→「設定」→「ユーザーと権限」から、招待を依頼する
アカウントの所有者(依頼者)にとって、あなたが「信頼できる外部協力者」であることが前提になります。明確な契約や信頼関係がある状態でのみ、権限付与をお願いしましょう。
【補足】依頼者のGoogleアカウントで設定する際に起こる「2段階認証」の壁とその対処法
GoogleアカウントでアナリティクスやサーチコンソールなどのWeb系サービスを登録・運用する際には、依頼者のアカウントでの設定が基本です。
ただ、ここで1つ問題があります。
それは、依頼者が作ったGoogleアカウントに、制作者側がログインしようとすると、2段階認証やログイン制限が発生することです。
対処法:スムーズに設定を進めるための3つの方法
- アカウント作成からログイン、2段階認証の設定までを依頼者のPCやスマホで実施
- その後、アナリティクスやサーチコンソールの画面から制作者のGoogleアカウントを「ユーザーとして招待」する
- クライアントと画面共有しながら、依頼者に実際の操作をしてもらう
- 制作者は口頭で「ここをクリックしてください」と指示するだけ
どうしても依頼者に作業が難しい場合の例外
依頼者がどうしてもGoogleの操作が苦手で、自分でアカウントを作るのも難しい場合、
- 一時的に制作者が代理でアカウントを作成・管理し、あとで譲渡する
- 管理アカウントは制作者が持ちつつも、引き渡し方法を契約に明記する
といった「暫定的な対応」も可能です。
ただし、これを行う場合は以下を徹底しましょう:
- いつ、どのタイミングで引き渡すかを事前に決めておく
- アカウント作成時に依頼者用のメールアドレスを使う
- パスワード管理や復旧用メールを共有しておく
管理者権限の譲渡は可能か?
結論としては、可能です。
Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのサービスでは、あとから他のGoogleアカウントに管理者権限を付与できます。
制作者が一時的に設定 → 後から依頼者を「管理者として招待」→ 自分を削除、という流れが取れます。
デメリット・運用上のリスク
- アカウントの所有権が曖昧になりやすい
誰が本当の「所有者」か明確でないと、トラブルや引き継ぎ時に混乱します。特に複数案件を抱える制作者が1つのアカウントで管理していると、依頼者側がアクセスできなくなるリスクも。 - アカウント譲渡自体が面倒になる場合がある
Googleアカウント自体(Gmailなど)を作成して使った場合は、そのアカウント全体を渡すことになるため、パスワードや復旧メール、2段階認証の管理が複雑になります。 - 信頼関係が前提
制作者が管理する間、依頼者は自分のデータに直接アクセスできません。何かトラブルが起こったときに不信感につながる可能性もあります。



ただ自分でアカウントを作った経験がないので、アカウントの管理が忘れてしまいがちなので、基本はクライアントに作ってもらうのがベスト。
まとめ:受注案件の際に、Googleサービスは誰の所有アカウントで登録するべき?
項目 | 推奨される対応 |
---|---|
Googleサービスの登録 | 依頼者のGoogleアカウントで登録 |
制作者の対応 | ユーザーとして招待されて権限をもらう |
依頼者にアカウントがない場合 | 新規作成をお願いする(業務用メールが望ましい) |
特別な事情がある場合 | 制作者が一時管理 → 後で譲渡することを契約で明記 |
Googleのサービスは強力な反面、アカウントの管理を間違えると「誰もアクセスできない」「データが残らない」などのトラブルにつながります。
ぜひ、最初の段階で正しく役割分担し、スムーズな運用を目指しましょう。
- Googleサービスは依頼者のアカウントで登録するのが原則
- 制作者は「権限をもらう」形で管理に参加するのが安心
- 依頼者が難しい場合は一時的に制作者が管理 → 後で譲渡
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