ハシビィくん「同じ業界(業種)でのSEO実績はありますか?」ってよく聞かれるんすけど、内訳って同じになるんすか?



同じ業界でもあっても、基本的には別物扱いで考えた方がいいぞ。共通項はあるが、まるっきり同じな会社・Webサイトではないからな。
「同じ業界でのSEO実績はありますか?」
SEO対策やWebサイト改善を依頼するとき、このように確認したくなるのは自然なことです。
同業界の支援実績があり、検索順位やPV、問い合わせ数を改善した事例があれば、自社でも同じような成果を期待できるように感じます。依頼先を選ぶうえで、実績や成功事例は重要な判断材料です。
一方で、他社で成果が出た施策をそのまま実施しても、同じ結果になるとは限りません。
同じ業界であっても、扱っている商品、価格、顧客層、商圏、知名度、競合、社内の運用体制は異なります。Webサイトに求める役割も、問い合わせの獲得、商品の購入、店舗への来店、認知の拡大などさまざまです。
SEOには、多くのWebサイトで共通して使える基本的な考え方があります。しかし、一般的に正しい施策を実施するだけで、事業の成果まで自動的についてくるわけではありません。
この記事では具体的なSEO手法ではなく、PV・CV・問い合わせといった数字をどのように捉え、一般的な考え方を企業ごとの「固有解」へ変えていくのかを考えます。
なお、本記事では問い合わせ、購入、予約、資料請求など、Webサイトで設定した成果を総称してCVと表記します。2026年7月時点のGA4では、事業にとって重要な行動を「キーイベント」として設定し、計測する仕組みが採用されています。
SEOの一般解だけでは成果につながらない3つの理由
SEOには一定の基本があります。
検索する人の疑問に答える、ページの内容が分かるタイトルを付ける、関連するページ同士をつなげる、スマートフォンでも読みやすくするといった考え方です。
こうした基本を無視して、企業ごとにまったく異なることをすればよいわけではありません。ただし、一般的な施策を実施しただけでは、自社が求める成果につながらないことがあります。
その理由を、PV・CV・業界実績という3つの視点から考えます。
PVの増加と事業の成果が一致するとは限らない
SEOの成果として、PVの増加が紹介されることがあります。
PVは、Webサイトやページがどの程度閲覧されたかを把握するための重要な数字です。PVが増えているのであれば、これまでより多くの人に情報が届いている可能性があります。
しかし、PVが増えたことと、事業の成果が増えたことは同じではありません。


例えば、幅広い人が検索するテーマで上位表示されれば、多くのアクセスを集められる可能性があります。その一方で、記事を読んだ人が自社の商品やサービスの対象者でなければ、問い合わせにはつながりにくくなります。
反対に、PVの規模は小さくても、自社のサービスを具体的に検討している人が訪れるページであれば、事業にとって重要な役割を果たしているかもしれません。
Google Search Consoleでは、検索結果に表示された回数やクリック数、検索クエリなど、主にサイトへ訪れる前の状況を確認できます。
Google Analyticsでは、訪問後に見たページや起こした行動を確認します。Googleも、両方を組み合わせることで、ユーザーがサイトを発見してから利用するまでを包括的に把握できると説明しています。
PVは増やせばよい数字でも、少なければ失敗という数字でもありません。
どのような検索意図を持つ人が訪れ、その後どのページを読み、事業との接点を持ったのか。アクセスの量だけでなく、流入の内容まで確認して初めて、SEOの成果を判断できます。



ブログ記事のアクセス上位の中には「社員の1日」があるが、これがサービス訴求に繋がるわけではないなどだな。
同じCVでも企業によって意味が異なる
CVも、企業によって定義が変わる数字です。
- 企業サイトでは問い合わせや資料請求
- ECサイトでは商品の購入
- 宿泊施設では予約
- 店舗型の事業では電話や来店につながる行動
これらをCVとすることがあります。
同じ業界の企業でも、Webサイトに求める役割が同じとは限りません。
新規顧客からの問い合わせを増やしたい企業もあれば、既存顧客からの予約を効率化したい企業もあります。すぐに問い合わせてもらうことより、まずサービスを理解してもらうことを重視するケースもあります。
そのため、「CVが増加した」という実績を見るときは、何をCVとして計測したのかを確認する必要があります。
問い合わせフォームの送信と、公式LINEのクリックでは、ユーザーの行動の重さが異なります。資料をダウンロードした人と、具体的な見積もりを依頼した人も、同じ状態ではありません。
また、問い合わせ数が増えても、自社では対応できない相談ばかりであれば、必ずしも良い成果とはいえません。件数だけでなく、問い合わせの内容、対象顧客との一致、問い合わせ後の商談や受注まで含めて評価する必要があります。
SEOの成果指標は、他社の事例から借りてくるものではありません。自社がWebサイトを通じて実現したいことから決めるものです。
同じ業界でも事業の条件が異なる
同業界での実績は、その業界について一定の理解があることを確認する材料になります。
業界特有の用語や商習慣、顧客が比較する項目、Webサイトに掲載すべき情報などを理解していれば、話を進めやすい場面はあります。
ただし、同じ業界だからといって、同じSEO戦略が使えるとは限りません。


地域を限定して提供するサービスと、全国へ提供できるサービスでは、狙う検索キーワードが変わります。低価格の商品と、長期間検討される高価格のサービスでも、ユーザーが必要とする情報は異なります。
会社やサービスの知名度、サイトを運営してきた期間、既存コンテンツの量、社内で記事を更新できる人員なども、成果に影響します。
問い合わせ後の対応体制も無関係ではありません。せっかく問い合わせが増えても、返信に時間がかかったり、担当者へ正しく情報が共有されなかったりすれば、受注には結び付きにくくなります。
同業界の実績は、同じ成果を出せることの保証ではありません。
その業界を知るための出発点としては役立ちますが、最終的には目の前の事業を個別に理解する必要があります。
成功事例を見るときは数字の背景まで確認する
SEOの成功事例や支援実績そのものに意味がないわけではありません。
実際の取り組みと結果を確認できる事例は、依頼先の経験や得意分野を判断するうえで参考になります。自社では気付かなかった可能性を知るきっかけにもなります。
大切なのは、結果の数字だけを切り取らないことです。
同じ「PVが増加した」という事例でも、施策を始める前のアクセス数、計測した期間、公開したコンテンツ数によって意味は変わります。
サイト全体をリニューアルしたのか、既存の記事を整理したのか、広告やSNSも同時に実施していたのかによっても、結果の捉え方は異なります。
Search Consoleのクリック数とGoogle Analyticsのセッション数のように、一見近い指標でも、計測方法や仕組みが異なるため数字は完全には一致しません。Googleも、両者を比較する際は数値の完全な一致ではなく、全体的な傾向を見ることを案内しています。
つまり、実績を見る際に確認したいのは「何倍になったか」だけではありません。
施策前にどのような課題があり、何を成果として設定し、どの条件の中で取り組み、その数字がどのように変化したのか。結果が生まれた背景まで確認する必要があります。
SEO会社や制作会社の見識も、成功事例の数だけでは判断できません。
他社で成功した方法をそのまま提案するのか。それとも、成功した理由と適用できない条件を切り分け、自社に合わせて考え直してくれるのか。実績の見方には、その支援会社の判断力を見るという意味もあります。
SEOの一般解を企業ごとの固有解へ変える
マーケティングの固有解とは、一般的な知識を否定することではありません。


検索意図を確認する、必要な情報を掲載する、ページ同士の関係を整理するといった基本は、多くのWebサイトで必要です。
重要なのは、一般的な考え方をどこへ、どの程度、どの順番で適用するかです。
例えば、SEOを意識するあまり、サービスページへ大量の文章を追加すればよいとは限りません。
サービスページを訪れる人が、すでに複数の会社を比較している段階なら、事業内容、特徴、料金、対応範囲、依頼の流れなどを短時間で把握できることが重要です。
一方で、まだ課題を整理できていない人には、ブログ記事などを通じて考え方や選択肢を伝える必要があります。
この場合、すべての検索キーワードを1つのページへ詰め込むのではなく、記事で疑問に答え、サービスページで依頼を判断できるようにするなど、ページごとの役割を整理することが固有解の一つになります。
また、理想的なコンテンツ計画を作っても、更新を継続できなければ機能しません。
毎週記事を公開できる企業と、通常業務の合間に数か月に1回更新する企業では、現実的な運用方法が異なります。更新担当者がWordPressを扱えるのか、外部へ依頼するのかによっても、作るべき仕組みは変わります。
固有解は、一度見つけたら変わらない正解でもありません。
検索行動、競合、事業内容、社内体制が変われば、適切な判断も変化します。公開時点では正しかったページ構成が、サービスの追加や顧客層の変化によって合わなくなることもあります。
一般解を基準にしながら、数字と現場の状況を確認し、必要に応じて修正する。この繰り返しによって、その企業に合ったSEOやマーケティングへ近づいていきます。
SEOとWeb制作は切り離して考えにくい
SEOというと、検索キーワードや記事制作を思い浮かべることが多いかもしれません。
しかし、検索結果からWebサイトへ訪れても、サービス内容が分かりにくい、スマートフォンで読みづらい、問い合わせ方法が見つからないといった状態では、事業成果につながりにくくなります。
反対に、見た目が整ったWebサイトでも、必要な情報が検索エンジンやユーザーへ伝わらなければ、見つけてもらう機会を作れません。
SEOでは、サイトへ訪れる前と訪れた後の両方を考える必要があります。
コンテンツ、情報設計、内部リンク、スマートフォン表示、表示速度、問い合わせ導線、公開後の更新性は、それぞれ独立したものではありません。
Googleが提供するCore Web Vitalsも、実際のユーザー環境における読み込み性能、操作への応答性、表示の安定性を測る指標です。SEOだけでなく、Webサイトを利用する人の体験という観点から確認する必要があります。
OWNでは、これまでWordPressサイト、ECサイト、企業サイト、サービスサイト、LPなど、200件以上のWeb制作案件に携わってきました。
その中で重視してきたのは、見た目を整えることだけではありません。情報の優先順位、スマートフォンでの見やすさ、更新担当者が扱いやすい構成、公開後の保守性、問い合わせまでの流れを含めて実装方法を判断してきました。
同じWordPressを使用する案件でも、テーマの標準機能を優先した方がよい場合もあれば、PHPやフックを使った調整が適している場合もあります。独自の仕組みを作れることより、運用する人が無理なく管理できることを優先するケースもあります。
幅広い業界の制作経験があるから、すべての企業へ同じ方法を提案できるわけではありません。
むしろ、業界やWebサイトの条件によって判断が変わることを経験しているからこそ、最初から方法を決め付けず、現在の環境や目的を確認することが重要だと考えています。
SEOとWeb制作を切り離さず、サイト全体から成果を妨げている部分を探す。そのうえで、必要以上に複雑な仕組みを作らず、継続して改善できる状態へ整えることが、OWNの考える固有解です。
まとめ:PVが増えれば成功なのか。SEOとマーケティングの「固有解」を考える
SEOやマーケティングに関する一般的な知識は、以前より手に入りやすくなりました。
検索すれば多くの成功事例を確認でき、生成AIを使えば施策の候補も短時間で出せます。
それでも、どの企業にも同じように当てはまる答えが見つかるわけではありません。
PVを増やすことが必要な場合もあれば、アクセスを増やす前にサービスページや問い合わせ導線を整理した方がよい場合もあります。新しい記事を増やすより、既存ページの役割を見直す方が適していることもあります。
専門性は、知っている手法の数だけで決まるものではありません。
目の前の事業にとって何が必要で、何を優先し、何を実施しないのか。成果の数字と運用する現場の両方を見ながら判断することが重要です。
成功事例や業界実績は、その判断を支える経験として役立ちます。しかし、最終的に必要なのは、他社の正解をそのまま再現することではなく、自社の目的や条件に合った固有解を作ることです。
OWNでは、Webサイトの制作だけでなく、サイト構造、コンテンツ、更新性、SEO、問い合わせ導線を含めた改善に対応しています。アクセスはあるものの問い合わせにつながっていない場合や、どこから改善すべきか整理できていない場合は、現在のWebサイトや運用状況を確認したうえでご提案します。
- 同業界の実績は参考になるが、そのまま成果が再現されるわけではない
- PV・CVは数字だけでなく、検索意図や行動の質まで見て判断する
- SEOは一般解を土台に、自社の目的や条件に合わせて「固有解」へ変えることが重要







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